戸建て賃貸vsアパート比較|老後コストで分かる投資の正解

- 戸建て賃貸はアパートより家賃が2〜3割高くても借り手がつく。
- 戸建て賃貸は入居期間15年以上が30%超で、退去が少なく安定する。
- 東京都の賃貸物件は戸建634件に対しアパート7,926件と、戸建ては供給が極端に少ない。
- ㎡単価は戸建てがアパートより約700円/㎡安く、広さ重視の入居者に向く。
- 借りる側は「広さと長く住める安心」、貸す側は「低コストと長期入居」が戸建ての軸になる。
戸建て賃貸 vs アパート 比較の結論

長く住む・安定して貸すなら戸建て賃貸、選択肢と借りやすさを取るならアパートです。
数字で見ると差は明確です。戸建賃貸は新築の同クラスのアパート・マンションと比べて家賃が2〜3割高くても借り手がつき、入居期間15年以上の割合が30%以上ある。一方アパート・マンションでは15年以上は10%未満です。
私の3棟も、いちばん古い物件は同じファミリーが9年住んでくれています。アパート時代は2年ごとに退去と原状回復の繰り返しでした。この差は地味に効きます。
| 観点 | 戸建て賃貸 | アパート |
|---|---|---|
| 家賃水準 | 同クラス比2〜3割高くても成立 | 相対的に安い |
| 入居期間15年以上 | 30%以上 | 10%未満 |
| ㎡単価 | アパートより約700円/㎡低い | 戸建てより高い |
| 物件数(東京都2020) | 634件 | 7,926件 |
| 建築コスト(貸す側) | 低い | 戸数次第で割高 |
持ち家のメリット・デメリットを比較
持ち家は資産が手元に残る安心がある一方、簡単に住み替えられない不自由さを抱えます。

戸建て賃貸の話の前に、そもそも「買う」のと「借りる」のはどう違うか。ここを整理しておくと、戸建て賃貸の立ち位置がはっきりします。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ローン完済後は住居費が大きく下がる | 設備の修繕・交換費を自分で負担 |
| 内装や設備を自由にできる | 固定資産税など税負担が続く |
| 資産として残り、貸す・売る選択肢がある | 住み替えの自由が低い |
正直、ここは人によって重さが違います。転勤が多い人にとっては「住み替えの自由が低い」が致命傷になりますし、定住派には大した話ではありません。
持ち家とは 持ち家のメリットは?
持ち家とは、自分名義で所有する住まいのことで、最大のメリットはローン完済後に住居費が大幅に下がる点です。
賃貸は住み続ける限り家賃を払い続けます。持ち家はローンが終われば、あとは税金と維持費だけ。老後の固定費を下げられるのは大きい。
加えて自由度。私が住宅メーカーで営業をしていた8年間、お客様がいちばん喜ぶのは「壁を抜きたい」「太陽光を載せたい」を自分の判断でできることでした。賃貸ではまず無理です。
持ち家のデメリットは

持ち家最大のデメリットは、修繕・税金という「終わらない支出」を自分で抱え込む点です。
屋根、外壁、給湯器、水回り。戸建ては10〜20年単位で必ず交換時期が来ます。賃貸ならオーナー負担ですが、持ち家は全部自腹です。
さらに固定資産税は持ち続ける限りかかります。買えば終わり、ではない。ここを軽く見る人ほど後で苦しみます。
賃貸のメリット、デメリットを比較
賃貸は身軽さが最大の武器で、修繕費や税金を負わない代わりに、家賃を払い続けても資産は残りません。

賃貸住宅の月額家賃は5万円以上7.5万円未満がボリュームゾーンで、若年層や単身世帯が多く住んでいます。借りやすさと選びやすさが賃貸の強みです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| いつでも住み替えられる | 家賃を払い続けても資産は残らない |
| 修繕・設備交換はオーナー負担 | 間取り・設備を自由に変えられない |
| 固定資産税がかからない | 高齢になると契約しにくい場合がある |
賃貸とは 賃貸のメリットは?
賃貸とは家賃を払って住む権利を借りる住まい方で、最大のメリットは状況に合わせて自由に住み替えられる身軽さです。
家賃は一般的に年収の25%以下が理想の目安です。収入が変わったら住まいのグレードを下げる、という調整が賃貸ならすぐできます。
戸建て賃貸はこの「賃貸の身軽さ」を保ったまま、広さと長く住める安心を足せるのが面白いところ。私が戸建てに絞った理由もそこです。
賃貸のデメリットは?

賃貸最大のデメリットは、何年払っても資産が一切残らないことです。
60代、70代まで家賃を払い続けると総額はかなりの金額になります。しかも高齢になると新規契約が通りにくくなるケースがある。これは現場でよく聞く悩みです。
戸建て賃貸はファミリー向けが多いので、単身高齢者にはアパートより選択肢がさらに狭いのが正直なところです。
持ち家vs賃貸。老後も住み続ける場合、どんなコストがかかる?
老後も同じ家に住むなら、持ち家は修繕費と税金、賃貸は払い続ける家賃が主なコストになります。

持ち家でかかるのは大きく3つ。固定資産税、火災保険、そして設備の交換費用です。
| 費目 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 毎月の支払い | ローン完済後はゼロ | 家賃が続く |
| 税金 | 固定資産税がかかる | かからない |
| 火災保険 | 自分で加入・負担 | 借家人向けで負担は小さめ |
| 設備交換 | 給湯器・水回りなど自己負担 | オーナー負担 |
賃貸用住宅の空き家率は2023年調査で借家全体の35.0%を占めます。供給が多い分、老後も住み替え先を探しやすいのは賃貸の利点です。
入居から50年で、いつ、どんなお金がかかる?
入居から50年では、持ち家は10〜20年ごとの設備交換と毎年の税金、賃貸は毎月の家賃が途切れなく続きます。
持ち家のお金のかかり方は「波」です。給湯器が壊れた、外壁を塗り直す、といったまとまった出費が周期的に来る。賃貸は「平ら」で、毎月一定額が出ていく。
- 持ち家は購入時に頭金・諸費用、その後は税金と周期的な修繕費がかかる。
- 賃貸は契約時に敷金礼金、その後は毎月の家賃と更新料がかかる。
- 戸建て賃貸は家賃がアパートより2〜3割高い分、長く住むほど総額差が出る。
借家の平均家賃は総務省「住宅・土地統計調査」で5年ごとに把握できます。自分の地域の相場を一度確認しておくと、50年単位の試算がぐっと現実的になります。
持ち家と賃貸、シミュレーションで生涯コストを考えておく

生涯コストは家賃水準・住む年数・修繕の発生で大きく変わるため、自分の数字で一度試算しておくのが唯一の正解です。
よく「持ち家のほうが◯◯万円得」という話を見ますが、前提が変われば結論はひっくり返ります。家賃が高い地域・長く住む人ほど持ち家有利、転居が多い人ほど賃貸有利。これは動かしません。
私が投資家として戸建てを選ぶのも同じ理由です。入居期間15年以上が30%超という長さは、空室リスクを抑えて生涯の収支を読みやすくしてくれます。
4人家族のケースで、持ち家と賃貸の費用を計算
4人家族なら必要な広さが大きく、戸建て賃貸は㎡単価がアパートより約700円/㎡低いため、広さあたりでは割安になります。

アパートで広い部屋を借りると㎡単価が高くつき、家賃総額が膨らむ。戸建て賃貸は家賃自体は2〜3割高めでも、広さで割ると効率がいい。子ども2人で部屋数が要る家庭ほど、この逆転が起きます。
| 観点 | 戸建て賃貸 | アパート |
|---|---|---|
| ㎡単価 | アパートより約700円/㎡低い | 戸建てより高い |
| 家賃総額 | 2〜3割高めでも成立 | 広い部屋ほど割高になりやすい |
| 物件の探しやすさ | 東京都634件と少ない | 東京都7,926件と豊富 |
| 長く住めるか | 入居15年以上30%超 | 15年以上10%未満 |
正直に言うと、4人家族で「広さ・長く住む・庭が欲しい」なら私は戸建て賃貸を勧めます。ただし物件数が圧倒的に少ないので、見つかったら早く動くこと。迷っているうちに埋まります。
