賃貸経営の種類と選び方|アパート・マンション・戸建てを徹底比較

- 賃貸経営とは、所有する建物を入居者に貸して家賃収入を得る事業のこと。
- 賃貸住宅経営の主な種類は、アパート・賃貸マンション・戸建て・賃貸併用住宅の4つ。
- 住宅用地の特例で、1戸200平方メートル以内の土地は固定資産税の課税標準が6分の1に下がる。
- 小規模宅地等の特例を使えば、相続する土地の評価額を最大80%減額できる。
- 管理戸数200戸以上の管理業者は、国土交通大臣への登録が義務付けられている。
賃貸経営の結論

賃貸経営とは、所有する土地や建物に入居者を募り、家賃収入を得る事業です。
「不労所得」と思われがちですが、正直それは違います。空室対策、修繕、入居者対応、確定申告――手を動かす場面はそれなりにあります。
ただ、株やFXと比べると収益の振れ幅は小さい。家賃は毎月ほぼ一定で入ってきますし、土地という現物が手元に残ります。
私が戸建て賃貸を選んだ理由もここにあります。価格を抑えて始められて、入居期間が長く、いざとなれば実需向けに売れる。この記事では種類・メリット・注意点を、私の現場感覚も交えて整理します。
1.賃貸住宅経営の種類
賃貸住宅経営の種類は、大きくアパート経営・賃貸マンション経営・戸建て賃貸経営・賃貸併用住宅の4つに分かれます。

どれを選ぶかは、持っている土地の広さ・形・立地と、投じられる自己資金でほぼ決まります。
| 種類 | 建物規模 | 主な入居者 | 向いている土地 |
|---|---|---|---|
| アパート経営 | 木造2〜3階の集合住宅 | 単身〜小家族 | 駅近〜郊外の中規模地 |
| 賃貸マンション経営 | RC造の中高層 | 単身〜ファミリー | 駅近・人口密集地 |
| 戸建て賃貸経営 | 一戸建てを1棟貸し | ファミリー中心 | 住宅街・郊外の狭小地でも可 |
| 賃貸併用住宅 | 自宅と賃貸を1棟に | 自分+入居者 | 自宅を建てたい土地 |
1-1.アパート経営
アパート経営とは、木造や軽量鉄骨の集合住宅を建てて複数戸を貸し出す方式で、賃貸経営の中でもっとも事例が多い形です。
複数戸あるぶん、1部屋空いても収入がゼロにはなりません。リスクが分散されるのが強みです。
一方で建築費は戸建てより張りますし、競合も多い。同じエリアに似た間取りのアパートがいくつも建つ、という事態はよく起きます。
1-2.賃貸マンション経営

賃貸マンション経営とは、鉄筋コンクリート造などの中高層建物を建てて貸し出す方式で、4つの中でもっとも初期投資が大きくなります。
その分、戸数が多く家賃も高めに取れるため、立地が良ければ収益の総額は大きい。
正直、これは土地と資金に余裕がある人向けです。駅近の人口密集地でないと、戸数を埋めきれずに苦しみます。
1-3.戸建て賃貸経営
戸建て賃貸経営とは、一戸建て住宅を1棟まるごと1世帯に貸す方式で、私自身が3棟運用している得意分野です。

ファミリー層が中心なので、入居すると長い。子どもの学区が絡むと、5年10年と住み続ける家庭も珍しくありません。
狭小地や変形地でも建てやすく、アパートが建たない土地が活きるのも利点です。供給が需要に追いついていない地域がまだ多いと、現場で感じます。
出口も読みやすい。賃貸をやめたければ、実需の中古戸建てとして売れます。これがアパートとの一番の差です。
1-4.賃貸併用住宅
賃貸併用住宅とは、1棟の中に自分の住まいと賃貸部分を同居させる方式で、家賃でローン返済の一部をまかなえるのが最大の特徴です。
自宅を建てるついでに収益も得たい人には合います。
ただし入居者と同じ建物に住むので、騒音やゴミ出しのトラブルが自分の生活に直撃します。ここは覚悟がいる方式です。
2.賃貸住宅経営のメリット

賃貸住宅経営のメリットは、安定収益・幅広い需要・用途地域の制限の少なさ・節税効果の4点に集約されます。
特に節税は、ただ土地を持っているだけの状態と比べて差が大きい。順番に見ていきます。
2-1.安定した収益を得られる
賃貸住宅経営は、家賃が毎月ほぼ一定で入るため、事業の中では収益の予測が立てやすい部類です。

収益性を測る指標が利回りです。東建の解説では、運営費を引かない簡易な「表面利回り」と、管理費・修繕費を差し引いた「NOI利回り」が使われます。
| 指標 | 計算式 | 性質 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 家賃収入 ÷ 投資金額 × 100 | 運営費を引かない簡易な目安 |
| NOI利回り | (家賃収入 - 運営費)÷ 投資金額 × 100 | 管理費・修繕費を引いた実質値 |
| 実質利回り | (家賃収入 - 運営費 - 返済金)÷ 投資金額 × 100 | ローン返済まで引いた手取り感 |
私が物件を見るときは表面利回りは参考程度で、必ずNOIで計算し直します。広告に出ている数字は表面が多く、ここを鵜呑みにすると痛い目を見ます。
2-2.幅広いエリアで賃貸需要が見込める
住宅としての賃貸は、駅前の繁華街でなくても需要が見込める点が、店舗やオフィスとの大きな違いです。
人が住むエリアであれば、郊外の住宅街でも借り手は現れます。
特に戸建てはファミリー需要なので、駐車場が取れる郊外のほうがむしろ刺さることもあります。私の3棟も、いわゆる駅近ではありません。
2-3.用途地域の制限を受けにくい

住宅は、ほとんどの用途地域で建てられるため、土地活用の選択肢として制限を受けにくいのが利点です。
店舗や工場は建てられる地域が限られますが、住宅はその縛りが緩い。
「持っている土地が住居系の用途地域で、商業的な活用がしにくい」というケースほど、賃貸住宅が現実的な答えになります。
2-4.相続税の節税効果が見込める
賃貸住宅を建てると、住宅用地の特例で土地の固定資産税が下がり、相続時には評価額を大きく圧縮できます。

地方税法に基づく「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」では、1戸あたり200平方メートル以内の小規模住宅用地について、課税標準が6分の1に減額されます。
相続では「小規模宅地等の特例」を使い、一定条件を満たせば土地の評価額を最大80%減額できます。
更地で持っているだけだと、この恩恵は受けられません。相続対策で賃貸経営を始める人が多いのは、ここが効くからです。
なお、管理を業者に委託する場合は、その業者が賃貸住宅管理業法の登録業者かも確認しておきたいところです。管理戸数200戸以上の業者には国土交通大臣への登録が義務付けられ、登録費用は9万円、有効期間は5年間です。法律は令和3年6月15日に施行されました。
よくある質問
賃貸経営を検討する人が、特につまずきやすい3つの疑問に答えます。
よくある質問
最後に一言。賃貸経営は「建てたら終わり」ではなく、土地選びと需要の見極めで9割が決まります。まずは自分の土地、もしくは買おうとしている土地に、本当に借り手がいるのか。そこを足で確かめるところから始めてください。
