戸建て賃貸の収益シミュレーション|年間収支の計算方法と利回りの考え方

- 戸建て賃貸の収益は、家賃から年間経費を引いて物件価格で割る「実質利回り」で見る。
- シミュレーションに入れるべき経費は、固定資産税・都市計画税・管理費・修繕費・その他経費。
- 空室率を入れて収入を補正するのが現実的な試算の基本。
- ノムコム・プロでは税引き後キャッシュフローと売却時損益まで概算できる。
- 売却費用は売却金額の3%を目安に計算する。
戸建て賃貸 収益 シミュレーションの結論

戸建て賃貸の収益シミュレーションとは、家賃収入から経費とローン返済を差し引き、最終的に手元に残る金額を試算する作業です。
私が12年やってきて言えるのは、表面利回りの数字だけ見て買うと、ほぼ確実に後悔するということ。
アットホームやノムコム・プロの試算でも、空室率や経費を入れて補正します。満室前提の利回りは、現実の手残りとはかなりズレます。
戸建て賃貸の収益とは
戸建て賃貸の収益とは、家賃収入から経費を差し引いて残る利益のことです。

ここで「家賃が10万円だから年120万円」と単純計算してしまう人が多い。でも実際は、固定資産税も管理費も修繕費も家賃から出ていきます。
不動産投資の解説では、表面利回りより、経費を差し引いた実質利回りのほうが現実的な収益性を把握しやすいと説明されています。私も完全に同意します。
収益と利回りの考え方
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、判断に使うべきは実質利回りです。

表面利回りは、家賃収入を物件価格で割っただけの数字。実質利回りは、そこから年間経費を引いて計算します。
さらに踏み込むと、NOI(営業純利益)やFCR(総収益率)といった指標もあります。NOIはEGI(実効総収入)から運営費を引いたもの、FCRはNOIを投資総額で割ったものです。
| 指標 | 計算の考え方 |
|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 物件価格 |
| 実質利回り | (年間家賃収入 − 年間経費)÷ 物件価格 |
| NOI(営業純利益) | EGI(実効総収入)− 運営費 |
| FCR(総収益率) | NOI ÷ 投資総額 |
正直、最初はNOIやFCRまで使わなくていいです。まずは実質利回りで判断できれば十分。
年間収支の組み立て

年間収支は「年間収入 − 年間経費 − ローン返済 − 税金」で組み立てます。
ノムコム・プロのシミュレーションでは、税引き後キャッシュフローを「年間収入 − 年間経費 − ローン返済額 − 所得・住民税/法人税 − 大規模修繕費(実施年のみ)」で計算すると説明しています。
大規模修繕は毎年ではなく実施した年だけ引く。ここを毎年引くと数字が歪みます。
私の実感では、大規模修繕の積み立てを「無いもの」として手残りを多めに見積もるのが一番危ない。屋根や外壁は必ずいつか来ます。
経費に入れる項目
シミュレーションの経費に含める代表項目は、固定資産税・都市計画税・管理費・修繕費・その他経費です。

アットホームの試算では、管理費・修繕積立費・その他費用を「円/年」、想定賃料を「円/月」、物件価格を「1万円単位」で入力します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税 | 物件を保有していると毎年かかる税金 |
| 都市計画税 | 市街化区域内の物件にかかる税金 |
| 管理費 | 管理会社へ支払う費用 |
| 修繕費 | 設備故障や原状回復などの費用 |
| その他経費 | 火災保険料など上記以外の費用 |
戸建ては集合住宅と違い共用部が少ないぶん、ランニングの管理費は抑えやすい。ただし設備の修繕は1棟まるごと自分持ちになります。
空室率の見方
空室率は、満室を100%としたうえで想定入居率を入力して収入を補正する形で扱います。

前述のアットホームの試算でも、想定入居率を入力し、満室を100%として計算します。
戸建ては入居者が一度決まると長く住む傾向があり、ここは正直アパートより読みやすい。ただし退去するとゼロになる。1戸しかないからです。
収益の計算方法

収益の計算は「購入時諸経費を含めた実質利回り」と「ローン・税金を引いた税引き後キャッシュフロー」の2段階で行います。
戸建て投資の解説では、仲介手数料・登記費用・不動産取得税などを購入時諸経費に含めて実質利回りを計算する例が示されています。
購入時の諸経費を物件価格に乗せて計算すると、利回りは下がります。でも、これが現実の数字です。
そして、借入金額・借入期間・金利は物件や融資条件で変わるため、シミュレーション結果は前提条件に強く依存します。同じ物件でも金利1%違えば手残りは大きく変わる。
シミュレーション結果
シミュレーション結果は、保有期間中の税引き後キャッシュフローと、売却時の最終損益の両方で見ます。
ノムコム・プロでは、保有期間中の税引き後キャッシュフローに加えて、売却時の最終損益も概算できます。売却費用は売却金額の3%を目安に計算すると明記されています。
私が複数棟を回してきて思うのは、毎年のキャッシュフローがトントンでも、出口(売却)で利益が出れば投資としては成立する、ということ。逆もしかりです。
だからシミュレーションは「持っている間」と「売るとき」を分けて見る。片方だけでは判断できません。
1.戸建て賃貸経営は儲かる?収益シミュレーション
戸建て賃貸は、立地と購入価格を間違えなければ儲かりますが、投資効率はアパートに劣ります。

正直に言うと、利回りの数字だけ追うならアパートのほうが効率はいい。戸建ての強みは別のところにあります。
競合が少なく、ファミリー需要があり、入居期間が長い。土地が小さくても活用でき、最終的に入居者へ売却できる場合もある。投資額が抑えられるぶん、最初の1棟としては入りやすい。
一方で、1戸が空くと収入はゼロ。投資効率の悪さと空室時の影響の大きさは、戸建ての宿命です。ここは隠さず受け入れたほうがいい。
1-1.戸建て賃貸経営とは?始め方は3種類

戸建て賃貸経営の始め方は、大きく「持ち家をそのまま貸す」「中古を買って貸す」「新築して貸す」の3種類です。
持ち家を貸す場合、住宅ローン返済中なら必ず銀行に相談してください。多くの住宅ローンは自己居住が前提で、無断で賃貸に出すと契約違反になります。
貸す前にリフォームや修繕、原状の確認も必要です。私は元住宅メーカー営業として何件も見てきましたが、貸す直前の状態確認を省くと、入居後のトラブルで余計に費用がかかります。
新築する場合は、大手ハウスメーカーのプレハブ工法を使う手があります。建築プランは1社で決めず、複数社に一括請求して比較するのが鉄則。賃貸用なら、シンプルで使いやすい間取り、大きすぎない延床、できれば駐車場ありが望ましいです。
| 始め方 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 持ち家を貸す | 転勤や住み替えで家が空く人 | 住宅ローン中は銀行へ相談、原状確認・修繕が必要 |
| 中古を買って貸す | 投資額を抑えたい人 | 購入時諸経費を含めて実質利回りを計算する |
| 新築して貸す | 土地を活用したい人 | 複数社へ建築プランを一括請求して比較する |
よくある質問
よくある質問
最後にひとつ。シミュレーションは「買う理由」を作るためのものではなく、「買わない判断」をするためにも使ってください。数字が合わない物件は、見送る勇気のほうが大事です。
