戸建て賃貸の利回り相場はどれくらい?地域別・新築・オーナーチェンジ別に解説

- 戸建て賃貸の全国平均利回りを示す公的統計は存在しない。
- 表面利回りは年間家賃収入÷物件価格×100で求める。
- 実質利回りは家賃収入から固定資産税・修繕費・保険料などの経費を引いて計算する。
- SNSで流れる30%超の高利回りは表面利回りのケースが多く、実質10%超で十分という見方がある。
- 参考値として一棟アパートの全国平均表面利回りは8.00%。
戸建て賃貸 利回り 相場の結論

戸建て賃貸の利回り相場は「これ」という公的な全国数値が無いため、周辺市場のデータと実質利回りで判断するのが現実的です。
探せば探すほど分かるんですが、戸建て賃貸の全国平均利回りを直接示す公的統計は見当たりません。だから「相場◯%」と言い切る記事は、たいてい根拠が弱い。
私が物件を見るときの基準はシンプルです。表面利回りはあくまで入口の足切り。最終判断は実質利回りでやる。これだけは12年間ブレていません。
1.戸建て賃貸の利回りの特徴
戸建て賃貸の利回りは、アパートやマンションと違って「1戸ごとに数字が大きくブレる」のが特徴です。

区分マンションや一棟アパートは戸数が多いぶん平均化されます。戸建ては1棟=1世帯。埋まれば満室、空けば収入ゼロ。この極端さが利回りに直結します。
だから私は、戸建ての利回りを語るときは必ず「空室になった月をどう織り込むか」をセットで考えます。表の数字だけ見ても意味がない。
1-1.まず利回りとは?
利回りとは、投資した金額に対して1年でどれだけの収入を生むかを示す割合で、表面利回りと実質利回りの2種類を分けて理解するのが基本です。
表面利回りは、年間家賃収入÷物件価格×100で計算します。計算が簡単なので、物件広告でよく使われるのはこちら。
実質利回りは、年間家賃収入から年間経費を差し引いたうえで計算します。固定資産税、都市計画税、管理費、修繕費、火災保険料などを引くのが一般的です。
| 種類 | 計算の考え方 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入÷物件価格×100 | 物件のざっくり比較・足切り |
| 想定利回り | 満室想定の家賃で計算した利回り | 空室前提の試算(実態とずれやすい) |
| 実質利回り | (家賃収入−年間経費)で計算 | 購入を決める最終判断 |
正直に言うと、初心者がつまずくのは「想定利回り」です。満室前提の数字なので、現実より高く出る。ここを実態だと思い込むと痛い目を見ます。
1-2.戸建て賃貸の利回りの特徴

戸建て賃貸では、表面利回りだけでなく実質利回りで判断するという考え方が、戸建て投資の解説で繰り返し示されています。
SNSやWebでは「30%超」といった高利回り情報が流通しています。ただ、実際には実質10%超で十分とする見方があります。
私の感覚もこれに近い。表面で20%台に見えても、地方の古家で修繕がかさめば実質はあっという間に1桁台まで落ちます。
2.戸建て賃貸の利回り相場
戸建て賃貸に直接対応する公的全国統計は存在しないため、相場は新築か中古か・地方か都市部か・土地から買うかで切り分けて捉えるのが正確です。

代わりに参考になるのが、一棟アパートなど周辺市場の民間レポート値です。投資対象によって利回り水準がはっきり違うことが分かります。
| 投資対象 | 表面利回りの参考値 |
|---|---|
| 区分マンション | 6.58% |
| 一棟マンション | 7.48% |
| 一棟アパート(全国平均) | 8.00% |
2-1.地域別の利回り
地域差は想像以上に大きく、同じレポートでも首都圏の一棟アパート利回りは7.13%、信州・北陸地方は13.57%と倍近い開きがあります。
地方の方が利回りは高く出ます。物件価格が安いからです。ただし高い利回りには空室リスクや出口の売りにくさが裏返しでついてくる。
都道府県・市区町村単位の平均利回りは、収益物件ポータルの「賃貸経営マップ」で確認できます。このデータは楽待掲載の物件データから算出されています。
| エリア | 表面利回りの参考値 |
|---|---|
| 首都圏 | 7.13% |
| 信州・北陸地方 | 13.57% |
2-2.新築での利回り

新築戸建ては中古に比べて物件価格が高くなるぶん、表面利回りは低めに出ます。
そのかわり、当面は大きな修繕が発生しにくく、実質利回りが表面から大きく落ちにくいのが利点です。家賃も中古より取りやすい。
私の本音を言えば、利回りの数字だけ追うなら新築は不利です。でも「読みやすさ」を買うと思えば、初心者には新築の方が安心できる場面が多い。
2-3.オーナーチェンジでの利回り
オーナーチェンジ物件は入居者付きで売買されるため、買った瞬間から家賃が入り、空室期間ゼロで利回りを計算できるのが強みです。

ただ、その家賃が相場より高く設定されていないか、退去後に同額で埋まるかは別問題。ここは必ず疑ってかかります。
私は過去に、現入居者が退去した途端に想定家賃を1割下げないと埋まらなかった物件を見たことがあります。提示された利回りは入居中だけの数字でした。
2-4.土地ありでの利回り
すでに土地を持っていて建物だけ新築する場合、土地取得費がかからないぶん投資額が圧縮され、利回りは土地建物を両方買うより高く出ます。
相続した土地や使っていない土地があるなら、戸建て賃貸は選択肢になります。土地代ゼロは、利回り計算では大きな差になる。
ただし固定資産税は持っている時点で発生し続けます。建物を建てるかどうかに関わらず、実質利回りには税金を必ず織り込んでください。
3.戸建て賃貸の利回りシミュレーション

シミュレーションで最優先すべきは、満室想定の表面利回りではなく、経費を引いた実質利回りです。
事前のシミュレーションで重要なのは実質利回り、という点はどの解説でも一致しています。表面利回りは入口の比較用と割り切るのが正解です。
実質利回りで引く経費は、固定資産税・都市計画税・管理費・修繕費・火災保険料などです。ここを入れずに計算すると、数字が現実とずれます。
3-1.戸建て賃貸の収支
戸建て賃貸の収支は「年間家賃収入」から「年間の固定経費」と「将来発生する修繕」を引いて手残りを見ます。

以下は、計算の考え方を整理した例です。具体的な金額は物件ごとに違うので、必ず自分の物件の数字を当てはめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 物件を保有している間ずっと発生する税金 |
| 管理費 | 管理会社へ委託する場合の費用 |
| 修繕費 | 設備故障・原状回復・外壁などの維持費 |
| 火災保険料 | 加入が前提となる保険料 |
私が実際にやっているのは、修繕費を「毎年かからなくても、年あたりで均して必ず計上する」やり方です。給湯器もエアコンも、いつか必ず壊れますから。
利回りを上げたいなら、簡単なリフォームを自分で手がける、空室対策を徹底する、情報収集を綿密に行う、この3つが効きます。派手な裏技より地味な積み重ねです。
よくある質問
戸建て賃貸の利回り相場について、私が現場でよく聞かれる質問をまとめました。
よくある質問
最後に一つだけ。利回りの数字に惚れて買うと、たいてい後悔します。私が次の一棟を選ぶときも、まず電卓を叩いて実質利回りを出し、それから現地を見ます。順番を逆にしないこと、これが一番のコツです。
