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戸建て賃貸の基本・メリット・デメリット

戸建て賃貸経営の始め方|投資前に知るべき準備と手順を解説

梶原 誠一 / 更新:2026-06-24
戸建て賃貸経営の始め方|投資前に知るべき準備と手順を解説
親から相続した土地や、空き家になった実家をどう活かすか。戸建て賃貸経営は、アパートより少ない資金で始められて、しかも入居者が長く住んでくれる手堅い選択肢です。私自身、戸建て3棟を12年運用してきて、最初の物件で迷ったポイントを踏まえながら「何から手をつければいいか」を順番に整理しました。
  • 戸建て賃貸経営は、まず自己資金額を決め、土地の環境と建築可否を確認してから建物計画に進む。
  • 用途地域・接道義務などの建築基準法の制約で、土地があっても建てられないケースがある。
  • 税負担は固定資産税1.4%、不動産取得税は原則4%(住宅は軽減あり)など、開始前に把握しておく。
  • 間取りは80平米台の3LDK・南向きリビング・シンプルな造りに絞ると失敗が少ない。
  • 管理を外注するなら、賃貸住宅管理業法に基づく契約前の重要事項説明があるか確認する。

戸建て賃貸 経営 始め方の結論

【戸建て やり方】手軽に始められる戸建ての賃貸経営のやり方とは
【戸建て やり方】手軽に始められる戸建ての賃貸経営のやり方とは

戸建て賃貸経営の始め方は、「自己資金を決める→土地と建築可否を調べる→間取りを設計する→収支をシミュレーションする→管理体制を決める」の5ステップで進めます。

所要時間の目安は、土地が手元にある状態から入居者募集まででおよそ8か月〜1年。難易度は、アパート経営と比べれば低めです。理由は、戸建ては入居者が長く住む傾向があり、複数戸の空室管理に追われないからです。

必要な前提は、貸せる土地(または購入予定地)と、建物本体・諸費用をまかなう資金、そしてエリアの賃貸需要です。この3つが揃っているか、まず確認してください。

土地があっても、用途地域や接道義務で住宅を建てられない場合があります。建物計画より先に、必ず建築可否を確認してください。

1.戸建て賃貸経営とは

戸建て賃貸経営とは、一戸建て住宅を建てて(または取得して)入居者に貸し、家賃収入を得る不動産投資です。

1.戸建て賃貸経営とは

アパートやマンションが複数の部屋を一棟で運用するのに対し、戸建ては1棟=1世帯。借り手は子育て中のファミリー層が中心になります。庭や駐車場付きで、ペットや子どもの足音を気にせず暮らせる点が、集合住宅にはない価値です。

なお、通常の賃貸として貸すことと、宿泊サービスを提供する民泊はまったくの別制度です。住宅宿泊事業法(民泊新法)では年間提供日数の上限が180日と定められており、普通に賃貸経営するなら関係しません。ここを混同すると話がややこしくなるので、最初に分けて考えておくと安心です。

2.不動産投資として戸建て賃貸経営を選ぶ前にすべきこと

戸建て賃貸を始める前にやるべきことは、「資金額の決定」「賃貸形式の理解」「土地環境の確認」の3つです。

この順番を飛ばして建物プランから入ると、後で「思ったより費用がかかる」「そもそも建てられない土地だった」と詰まります。私が1棟目で時間を取られたのも、まさにここでした。順に見ていきます。

2-1.自己資金をいくら投じるか決める

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自己資金は、総事業費に対して2〜3割を目安に用意できると、その後の融資交渉も収支も楽になります。

なぜ「いくら投じるか」を最初に決めるのか。それは、建てられる建物の規模と、毎月の返済額がここで決まるからです。借入を増やせば自己資金は少なく済みますが、月々の返済が家賃を圧迫し、空室1か月で赤字に転落することもあります。

忘れがちなのが、建物本体以外の諸費用です。不動産取得税、登録免許税、印紙税、火災保険、登記費用などがまとまって発生します。これらを自己資金に含めて計算しておかないと、着工後に資金が足りなくなります。

戸建て賃貸経営の開始時にかかる主な税金
税率・課税方式は各官公庁の公表情報による。住宅・住宅用地には軽減措置がある。
税金の種類税率(原則)課税のタイミング
不動産取得税4%(住宅は軽減あり)土地・建物の取得時
固定資産税1.4%(標準税率)毎年(保有期間中)
都市計画税上限0.3%毎年(市街化区域など)
登録免許税登記の種類により異なる登記時
印紙税契約金額・文書により異なる契約書作成時

確認の目安はこうです。「総事業費」「自己資金額」「借入額と月々の返済」「諸費用の概算」をメモに書き出せていれば、このステップは完了。逆に、本体価格しか把握していないなら、まだ次へ進まない方がいい。

2-2.賃貸の形式を知っておく

戸建てを貸す形式は、大きく「普通借家契約」「定期借家契約」、そして管理を委ねる「管理委託」「サブリース」に分かれます。

2-2.賃貸の形式を知っておく

普通借家は更新できる一般的な契約で、長く住んでもらいやすい。定期借家は契約期間で終了する形式で、将来自分が住む・売却する予定があるなら向いています。どちらを選ぶかで、出口戦略が変わります。

管理を外注する場合、ここは見落としやすいので注意してください。賃貸住宅管理業は法律で規制されており、一定規模以上は賃貸住宅管理業法の対象です。管理受託契約を結ぶ前に、業者には重要事項説明と書面交付が義務付けられています。

管理を委託するなら、契約前に重要事項説明を受け、書面を受け取っているかを必ず確認してください。説明をしない業者は避けるのが無難です。

正直に言うと、サブリース(家賃保証)は私はあまり勧めません。保証賃料は数年ごとに見直され、下がることがあるためです。戸建ては空室期間が短い傾向なので、保証料を払うより自主管理か管理委託で十分回るケースが多い、というのが私の実感です。

2-3.準備する土地の環境を確認する

土地の環境確認で最優先すべきは、「その土地に賃貸住宅を建てられるか」という建築基準法上のチェックです。

建築基準法では、用途地域、防火規制、接道義務などの制約があります。土地があっても必ず建てられるとは限りません。たとえば接道義務(原則として幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない土地は、建て替え自体ができないこともあります。

私が実際に手痛い思いをしたのは、ここの確認を後回しにしたときでした。図面を引いてもらってから「再建築不可に近い土地」と判明し、計画を組み直す羽目に。だから順番として、設計より先に役所の都市計画課や建築指導課で用途地域と接道状況を確認してください。

確認の目安:用途地域が住居系か、接道は足りているか、防火・準防火地域か。この3点を役所で押さえられていれば、土地のチェックは完了です。うまく聞き取れないときは、ハウスメーカーや工務店に同行を頼むと早い。

3.【アパート経営と比較】不動産投資目線でみる、戸建て賃貸のメリット

【不動産投資の始め方】初心者が不動産で資産形成する方法を解説【戸建て事業】
【不動産投資の始め方】初心者が不動産で資産形成する方法を解説【戸建て事業】

戸建て賃貸のメリットは、「供給が少なく競合しにくい」「入居期間が長い」「将来売却しやすい」の3点に集約されます。

アパートとの一番の違いは、貸す相手と運用の落ち着き方です。具体的に見ていきます。

3-1.需要に比べて供給量が少ない

戸建て賃貸は、ファミリー層の需要に対して供給が少なく、競合が薄いのが強みです。

3-1.需要に比べて供給量が少ない

賃貸市場は分譲・賃貸ともアパート・マンションが大半で、貸し出される一戸建ては多くありません。一方で、庭付き・駐車場付きで広い住まいを賃貸で探すファミリーは一定数います。同じエリアで競合物件が少なければ、家賃の値下げ競争に巻き込まれにくい。これは実際に募集をかけてみると体感できます。

3-2.入居期間が比較的長い

戸建ての入居者は、ファミリー層が中心なので入居期間が長くなる傾向があります。

子どもの学区や、引っ越しの手間を考えると、ファミリーは簡単には動きません。私の3棟も、長い入居者で7年以上住んでいます。入退去のたびに発生する原状回復費・募集費・空室期間が減るので、結果として手残りが安定します。

なお原状回復については、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が実務の基準です。通常損耗・経年劣化は借主負担としない整理が示されており、退去時の精算トラブルを防ぐためにも一度目を通しておく価値があります。

3-3.将来売却もしやすい

戸建て賃貸の効果的な客付け戦略【不動産投資】
戸建て賃貸の効果的な客付け戦略【不動産投資】

戸建ては、賃貸中でも空室でも、実需(マイホーム購入層)に向けて売却できる点が大きな利点です。

アパート一棟は買い手が投資家に限られますが、戸建ては「自分で住みたい人」も買い手になります。出口の選択肢が広いということは、いざというときに現金化しやすい。投資の入口より出口で効いてくる差です。

4.【アパート経営と比較】不動産投資目線でみる、戸建て賃貸のデメリット

戸建て賃貸の最大のデメリットは、1棟=1世帯なので空室になると家賃収入がゼロになることです。

4.【アパート経営と比較】不動産投資目線でみる、戸建て賃貸のデメリット

アパートなら1部屋空いても他の部屋の家賃が入りますが、戸建てはそうはいきません。空室=収入ゼロ、しかし固定資産税やローン返済は止まらない。これが一番こたえる場面です。

加えて、退去のたびにリフォーム・メンテナンス費がまとまって出ます。屋根や外壁、設備の交換など、戸建ては1棟分の修繕を自分1人で負担します。定期的な点検を怠ると、まとめて大きな出費になります。

家賃はアパートの1部屋より高く設定するため、払える世帯が限られ、ターゲットが狭まる面もあります。立地と家賃のバランスを外すと、空室が長引きます。

戸建て賃貸は、空室時のリスクが集中する点が最大の弱点です。だからこそ「需要のあるエリア」と「無理のない返済計画」の2つが、成否を分けます。

率直に言えば、立地に自信が持てない土地なら、私は戸建て1棟に全資金を投じる前に、収支シミュレーションを何パターンも回します。空室3か月でも耐えられる返済額か。ここを詰めずに始めるのは、勧められません。

よくある質問

戸建て賃貸経営の始め方について、読者からよく寄せられる質問にまとめて答えます。

よくある質問

戸建て賃貸 経営 始め方とは?
一戸建てを建てる、または取得して入居者に貸し、家賃収入を得る不動産投資です。始め方は「自己資金を決める→土地と建築可否を確認する→間取りを設計する→収支をシミュレーションする→管理体制を決める」の順で進めます。土地があっても用途地域や接道義務で建てられない場合があるため、建築基準法上の確認を最優先してください。
戸建て賃貸 経営 始め方の費用は?
建物本体費用に加えて、税金や諸費用がかかります。主な税金は、不動産取得税(原則4%、住宅は軽減あり)、固定資産税(標準税率1.4%)、都市計画税(上限0.3%)、登記時の登録免許税、契約書作成時の印紙税です。本体価格だけでなく、これらの諸費用も自己資金に含めて計算しておく必要があります。
戸建て賃貸 経営 始め方の始め方は?
まず投じる自己資金額を決め、次に土地の用途地域・接道・防火規制を役所で確認します。建築可能と分かったら間取り(80平米台の3LDK・南向きリビング・シンプルな造りが基本)を設計し、空室期間を織り込んだ収支シミュレーションを行います。最後に自主管理か管理委託かを決め、委託する場合は契約前の重要事項説明を確認します。
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こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶原 誠一

戸建て賃貸物件3棟保有(累計投資経験12年) ・ 元大手住宅メーカー営業担当(8年勤務)

自身も戸建て賃貸物件を複数保有する兼業投資家として、現場で得た一次情報をもとに初心者が迷いやすいポイントを丁寧に解説します。数字と実体験の両面から、読者が具体的に動き出せる記事を心がけています。

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